Shopify・BASEで開店するとき

書類がそろっても、どこに、どの順番で置くかを間違えると働きません。制作担当の方にそのまま渡せる設置の指示にしておきます。

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Cookieのバナーより先にMeta連携をオンにすると、同意の仕組みがないまま顧客情報が外国の事業者に送られます。

このページの要点

  • 4つの書類をポリシー欄に置き、購入手続の前に規約への同意のチェックボックス(初期状態はオフ)を置く。
  • Cookieのバナー → 新しいプライバシーポリシー → Meta連携の順に有効にする。
  • 規約の改定は、施行日の前にショップに告知する(民法548条の4)。
  • 便宜を提供して集めたレビューは、広告であることを表示する。

書類を作っても、置き方を間違えると働かない

利用規約、プライバシーポリシー、返金ポリシー、特定商取引法に基づく表記。4つの書類がそろっても、ショップのどこに、どの順番で置くかを間違えると、法律上の役割を果たしません。事務所は、ネットショップの書類を納品するときに、制作担当の方にそのまま渡せる「設置の指示」を添えています。このページでは、Shopifyの店舗での指示を中心に、物販のネットショップで実際に出た論点を紹介します。利用規約の一般的な作り方や、Cookie・外部送信の規律の詳しい解説は、姉妹サイトの「アプリ・Webサービスの利用規約ガイド」に譲ります。

Shopifyでの設置の指示(事務所の納品時の案内から)
作業内容法律上の意味
ポリシーの差し替え管理画面のポリシーの設定で、利用規約・プライバシーポリシー・返金ポリシー・特商法表記の各欄を差し替える(表の部分が崩れないよう整える)。フッターのリンクを確認定型約款の事前の表示(民法548条の2第1項2号)、プライバシーポリシーの公表
Cookieの同意のバナーバナーを有効にし(表示する地域に日本を含める)、同意が得られるまでトラッキングしない設定にする。バナーからプライバシーポリシーへリンク個人関連情報を第三者に提供する場合の同意の確認(個人情報保護法31条1項)
規約への同意のチェックカートのページ又は購入手続の直前に「利用規約およびプライバシーポリシーに同意して購入手続きへ進む」のチェックボックス。未チェックでは進めない、初期状態はオフ、両書類へのリンク定型約款を契約の内容にする合意(同条1項1号)。外国にある第三者への提供の同意(個人情報保護法28条)
Meta連携の共有の設定氏名・メール・住所などの共有は、バナーと新しいプライバシーポリシーが動き出した後にオンにする個人データの外国にある第三者への提供(同法27条1項・28条1項)
メールマガジンの同意「新商品・キャンペーン情報などの広告宣伝メールを受け取る」の文言、プライバシーポリシーへのリンク、初期状態はオフ、同意の記録の保存広告宣伝メールの送信の同意
配送ページの修正日時指定・支払方法の記載を実際の運用に合わせる表記・規約との一致
最終確認画面分量、価格・送料、支払、引渡時期、返品特約の表示を確認特定商取引法12条の6

順番に意味がある作業もあります。Cookieのバナーと新しいプライバシーポリシーより先にMetaの連携をオンにすると、同意を得る仕組みがないまま、お客様の情報が外国の事業者に送られます。事務所の案内では、「バナーを有効にする → 新しい規約を施行する → その後にMeta連携を有効にする」という順番を指定しました。

規約を変えるときの手順

規約を新しくするときは、変更の内容と効力が生じる時期を、効力が生じる前に周知します(民法548条の4第2項・3項)。事務所の案内では、施行日の2週間前までにショップの「お知らせ」欄に改定の告知を載せ、メールマガジンでも配信し、施行日に本文を差し替える手順を示しました。

依頼者からの質問と事務所の回答|規約改定のお知らせ

Qメールマガジンの購読者にしかメールを送れません。改定の通知として足りますか?

A変更の周知は、インターネットの利用その他の適切な方法で行えばよいとされています(民法548条の4第2項)。ショップへの掲載が周知の中心で、メールマガジンはその上乗せと考えてください。購読していないお客様のために、ショップの目立つ場所に告知を載せておくことが大切です。

QShopのアプリやShop Payでのログインについて、プライバシーポリシーに別に書く必要がありますか?

AShopifyの標準の機能として、委託先と外国への移転の記載でカバーできると整理しました。

Shopifyに預ける顧客情報と外国の事業者

Shopifyで店を開くと、お客様の情報はShopifyのサーバーに預けられます。事務所の書類では、契約の相手方の所在国や、データが保管される国をプライバシーポリシーに書き、Shopifyへの預け入れを「委託(個人情報保護法27条5項1号)であって、外国にある第三者への提供として28条の対象となり得るもの」と整理し(契約の相手方の所在国が個人情報保護委員会規則で定める国である場合や、相手方が基準に適合する体制を整備している場合は扱いが変わるので、契約の相手方を確かめます)、安全管理措置の「外的環境の把握」にも国名を書きました。国名を「海外のサービス事業者等」とぼかさず、確認できた国を書くのが事務所の方針です。サービスの契約主体やデータの保管地域は規約の改定で変わり得るので、公開前と年に一度は、サービス側の公表資料で確かめます。

Meta広告の連携は3種類に分けて考える

InstagramやFacebookの広告とショップを連携するときに、事務所の提案書とヒヤリングシートで整理したのが次の3つです。

Meta連携の種類と、必要な手当て

  • ピクセル(閲覧・カート・購入などの行動の情報)個人関連情報の第三者提供として、提供先で個人データになることが想定されるなら本人の同意の確認が必要(個人情報保護法31条1項)
  • コンバージョンAPI店が持つ個人データを第三者に提供するものとして原則として事前の同意が必要。提供先が外国にある第三者に当たる場合は、外国の制度などの情報提供も必要(同法27条・28条。提供先の所在国や体制によって扱いが変わる)
  • 詳細マッチング(氏名・メールなどを変換して送る)同上。変換しても、提供する店の側で個人データに当たる

このショップでは、調べたところピクセルがまだ設置されていなかったため、「導入する前に規程と同意の仕組みを整える」順番で進めることができました。

依頼者からの質問と事務所の回答|Metaの設定画面の表示

QMetaの設定に「Facebookで管理」とある項目は、お客様の側で管理するものではないのですか?

Aお客様が自分のFacebookの側で利用を管理できる、という意味です。しかし、送信を始めるのは店側の設定で、オンにすることは店が持っている個人データを外国の第三者に提供する行為に当たります。お客様が止められるかどうかに関係なく、店の側で事前に同意を得る必要があります。バナーと新しいプライバシーポリシーが動き出すまでは、オフにしておくことをお勧めしました。

商品レビューを集めるとき

レビュー機能を使う店では、利用規約にレビューの条を置きました。投稿の著作権は投稿者に残し、店に無償・非独占の利用の許諾(SNSや販促物への転載、要約などの軽微な修正)を与えること、投稿者が権利を侵害していないこと、内容が真実で自分の実際の体験に基づくことを表明すること、違反した投稿や不適切な投稿を削除でき、削除の理由を開示しないことです。

納品のときの案内では、割引やプレゼントなどの便宜を提供してレビューの投稿を頼む場合は、景品表示法のステルスマーケティング規制(令和5年10月から)により、広告であることが分かる表示が必要になることもお伝えしました。依頼して書いてもらったレビューを、自然な口コミのように見せることはできません。

ポイントとギフトカード

ポイントの条では、購入以外に使えず、換金・譲渡・相続ができないこと、有効期間(最後にポイントが付いた日から○年など)、退会や利用禁止で失効すること、不正に得たポイントは取り消すことを書きました。購入額に応じて無償で付けるポイントは、資金決済法の前払式支払手段には通常当たりませんが、現金でチャージする形や、ポイントを販売する形に変えるなら事前に相談してください、と案内しました。お金で買うポイントやギフトカードは、資金決済法の規律がかかり得るためです。オンラインのくじ形式のサービスでは、お金で買うサイト内ポイントの有効期限・換金できないこと・チャージバックなどで失効することを、規約と表記の両方に書きました。

BASEで開店するとき

店舗のサービスとBASEのショップを両方運営するサロンでは、店舗の規約をBASEのショップにも適用するため、サービスの定義に「BASE等のオンラインショップを含む」を加え、規約の変更の公表方法に「BASE上での公表又は更新」を含めました。BASEの設定では個人の氏名を非表示にできないことは、特商法表記のページで紹介したとおりです。共同販売の利益の計算では、BASEの基本料金・決済手数料・サービス利用料を販売管理費として差し引く定義を置いた例もあります(販路と運営の外注)。

Shopify・BASEで公開する前の確認

  • 4つの書類を管理画面のポリシー欄に差し替え、フッターから開ける
  • 規約への同意のチェックボックスを購入手続の前に置き、初期状態はオフにした
  • Cookieのバナーを有効にしてから、広告の連携をオンにした
  • プライバシーポリシーに、預け先の事業者と国名を書いた
  • 最終確認画面に、返品特約と、価格・送料・支払・引渡時期が出る(最終確認画面)
  • 規約の改定は、施行日の前にショップに告知した

改定のお知らせ文は5つの要素で組む

規約を新しくするときに周知の期間を置くことは上で紹介しました。プロ向けネイル用品の自社ECでは、お知らせの文面そのものも、サイトに掲載する版とメールマガジンで配信する版の2つを作りました。

改定のお知らせに入れた要素(サイト掲載版・メールマガジン版)

① 改定する規程の一覧新しく制定する規程も含めて列挙する

② 主な改定内容注文の成立時期、決済手段ごとの支払期限、返品・交換の条件と不良品の連絡先を具体的に書く。個人情報の取扱いの全面的な見直しと情報の送信先の一覧の新設、Cookieの同意バナーの導入

③ 確認の方法掲載日から各規程のページで確認できること

④ 施行日改定後の規程が効力を生じる日

⑤ 適用の範囲施行日以降のご利用・ご注文に、改定後の規程が適用されること

メールマガジン版は件名に施行日を入れ、本文のURLを差し替える箇所を明示しました。②では、注文の成立時期を「発送のお知らせの時」に改めたことも具体的に書いています(注文確認メールと契約の成立)。

情報の送信先の一覧と、旧ポリシーの扱い

プライバシーポリシーの別表として、情報の送信先の一覧を作りました。列は「送信先(所在国)/送信される情報/送信先での利用目的/送信を停止する方法」の4つです。まだ導入していないツールの行には「導入予定」と付け、本文に「導入前のツールについては導入の時点から送信が開始される」と書きました。ショップの基盤そのものの行は「サイトの利用に必須のため停止できない(ブラウザの設定でCookieの削除は可能)」とし、停止の方法がない行も隠さずに載せています。

この一覧は、任意で置いたものです。事務所の資料では、電気通信事業法の外部送信の規律について、総務省のFAQでは自社の商品だけを販売するネットショップは原則として対象外とされる一方、レビューやコラムなどの情報のオンラインでの提供や、モール型のサイトは対象になり得る、と整理しています。そのうえで、事務所はこの一覧を標準で備え、導入予定のタグも先回りで載せる設計にしています。

適用の範囲には、展示会での対面販売などサイトの外で取得する個人情報も含めました。ヒヤリングでサイト以外の販売の経路を聞いた回答によるものです。取得する情報には、プロ向け商品の購入資格の確認に使う「本人がメール等により提出した資格、修了証その他の情報(提出があった場合に限り、本人の情報と紐付けて管理)」を独立の号で置き、安全管理措置には「情報システムへのログインに二要素認証を採用」と、実際にとっている措置を書きました。

退会した場合は、法令上保存が必要な情報と、権利の行使・義務の履行に必要な情報を除いて遅滞なく消去し、退会後の購入履歴などは個人を識別できない形に加工して統計に使うことがある、と定めました。附則には「旧プライバシーポリシーは本ポリシーの施行をもって廃止する」と書き、新旧のポリシーが併存しないようにしています。

開店した後に、書類の更新が要る場面

納品の案内の最後には、今後の運用で書類の更新が必要になる場面を表にしました。書類を作って終わりにせず、運用の変化と書類の更新を対応させるためです。

運用の変化と書類の更新(納品時の案内から)

  • ポイント制度を始める規約に枠組みは整備済み。付与率・有効期限などはサイトの表示で運用できる。現金チャージ式・有償販売式に変えるなら、書類の見直しが必要
  • 顧客リストを使う広告の連携を始めるプライバシーポリシーと別表に記載済みで改定は不要。開始前に、Cookieのバナーと購入時の同意のチェックが動いていることを確認
  • アクセス解析・広告の計測タグを入れる別表に「導入予定」で記載済み。載っていないツールを入れる場合だけ行を追加
  • レビュー機能を始める規約の投稿コンテンツの条は整備済み。便宜を提供して投稿を頼むなら、広告であることの表示
  • 送料・決済手段を変える特定商取引法に基づく表記の該当欄を更新
  • 公式アカウントやメール配信のツールを入れるプライバシーポリシーの委託先の行を追加・差替え

メールマガジンの同意の取り方も聞かれました。会員登録の時のチェックボックスで取っている現在の方法は有効と回答したうえで、文言を具体的にすること、プライバシーポリシーへのリンクを並べること、初期状態をオフにすること、同意の記録を保存し配信ツールを変えるときに引き継ぐことを、改善点として示しました。

事業を譲る場面に備えた条もあります。お客様の側の権利義務の譲渡は店の承諾を要するとしつつ、店が事業を譲渡し、又は合併・会社分割などで承継させる場合は、規約上の地位と権利義務、登録情報その他のお客様に関する情報を譲受人などに移転でき、お客様はあらかじめ同意する、と定めました。ネットショップをサイトごと売却する場面を想定した条項です(表記の更新の仕方は特商法表記)。

よくあるご質問

Shopifyで開店するとき、規約やポリシーはどこに置けばよいですか?

管理画面のポリシーの設定で各書類を差し替え、フッターから開けるようにします。購入手続の前に、利用規約とプライバシーポリシーへの同意のチェックボックスを置きます。

規約への同意のチェックボックスは必要ですか?

利用規約を契約の内容にするには、規約を契約の内容とする合意があるか、あらかじめ規約を契約の内容とすることを表示しておく必要があります(民法548条の2)。チェックボックスは、同意の事実を残す確実な方法です。

Meta(Facebook・Instagram)の連携をオンにする前に、何を準備しますか?

Cookieの同意のバナーと、送信先や国名を書いたプライバシーポリシーを先に整え、同意を得られる状態にしてから連携をオンにします。氏名やメールを送る連携は、外国にある第三者への個人データの提供に当たります。

ポイントやギフトカードを導入するときの注意点は?

購入に応じて無償で付けるポイントと、お金で買うポイント・ギフトカードを分けて考えます。お金で買う形は資金決済法の規律がかかり得るので、導入前に確認します。

商品レビューをお願いするとき、プレゼントや割引を付けてもよいですか?

付けることはできますが、便宜を提供して書いてもらったレビューは広告に当たり得るので、広告であることが分かる表示が必要です(景品表示法のステルスマーケティング規制)。

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本ページは一般的な情報提供です。許可・届出・免許の運用は、所管の行政機関によって異なることがあります。事務所の改訂例・ご相談の事例として紹介している内容は、アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきたネットショップの利用規約・特定商取引法に基づく表記・返金ポリシー、酒類の免許の申請、化粧品・中古品・OEM・販路の契約書などを、個別の事業者が特定できない形に整理したものです。条文は e-Gov法令検索で確認しています(最終確認日:2026年10月15日)。参考: e-Gov法令検索 / 特定商取引法ガイド(消費者庁) / 消費者庁 / 国税庁 お酒に関する情報

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