古物商許可は必要か、申請はどう進めるか

許可が要るかどうかは、中古品を売っているかではなく、古物を買い受けるか、他人から預かって売るかで決まります。要否の判断、申請、ネットの届出を順に整理します。

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ネットで取引の申込みを受ける方法を届け出た古物商(特定古物商)は、小規模でもサイトへの許可番号などの表示が必要になります。

このページの要点

  • 古物を売買し、又は委託を受けて売買する営業には、公安委員会の許可が必要(古物営業法2条2項1号・3条)。売却だけを行う場合は除かれる。
  • 他人の物を預かって売る代理出品は「委託を受けて売買」に当たる。許可を持つ人の名義を借りることは名義貸しの禁止に触れる(同法9条)。
  • 取り寄せ販売は、自社が売主の売買で組むか、お客様の代理で組むかを決め、規約と運用をそろえる。
  • ネット取引の申込みを受ける場合は、申請時にURLを届け出て、サイトに氏名・公安委員会名・許可証番号を表示する(同法5条1項6号・12条2項)。

結論:許可が要るかどうかは、「買い受け」か「委託」が加わるかで決まる

古物商許可は、「中古品を売っているかどうか」では決まりません。古物営業法は、古物を売買し、交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業のうち、古物を売却すること、又は自分が売却した物をその相手方から買い受けることだけを行うもの以外を、古物営業と定めています(古物営業法2条2項1号)。言い換えると、古物を「仕入れて売る」ことと、他人から「預かって、代わりに売る」ことの2つが入口です。どちらかを業として行うなら、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可が必要です(同法3条、5条1項)。

許可を受けずにこの営業を営むと、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です(同法31条1号)。許可は営業のたびに取るものではなく、取り扱う古物の区分、営業所、管理者を届け出たうえで受ける営業の資格のようなものですので、「小さく始めたから、まだ要らない」という整理は成り立ちません。個人が趣味の延長で不用品を手放す場合と、利益を得る目的で継続して仕入れて売る場合とでは、条文の当てはめが異なります。このページでは、ネットで売る事業者を想定して、要否の判断、委託や代理出品の組み方、申請の手続、ネット販売に特有の届出と表示、許可を取った後の義務を順に整理します。

中古品の買取契約書や、訪問購入の法定書面の組み立ては中古品・古物の販売と買取の契約書のページで扱っています。ここでは、そもそも許可が要るのか、どう申請するのか、という手前の部分に絞ります。

この先の読み進め方(判断から申請、許可後まで)

  1. 1要否の判断扱う物が古物か。仕入れ・委託のどちらがあるか条文の言葉で分ける
  2. 2契約の組み方売買か、委託(代理出品)かどちらでも許可の要否は変わりにくい
  3. 3申請営業所・管理者・区分・書類警察署を経由して公安委員会へ
  4. 4ネットの届出と表示URLの届出と、サイトの表示特定古物商は表示が必須
  5. 5許可後の運用本人確認・帳簿・保存3年間の保存

条文の言葉で分ける:古物・営業・「売却のみ」

要否の判断は、次の3つの言葉を順に当てはめると整理できます。

1つ目は「古物」です。古物とは、一度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、これらの物品に幾分の手入れをしたもの、をいいます(同法2条1項)。真ん中の「使用されない物品で使用のために取引されたもの」が、新品同様の物の扱いで迷う部分です。メーカーや問屋から事業用の在庫として仕入れた物と、いったん消費者が使うために買った物が戻ってきた物とでは、同じ「未使用」でも、取引の経緯が違います。未使用かどうかではなく、その物が使うための取引を経ているかどうかで考えますので、仕入れ先と、仕入れたときの取引の形を確かめることが判断の材料になります。鑑賞的美術品や商品券なども古物に含まれる一方、船舶、航空機、工作機械などの大型機械類で政令が定めるものは古物から除かれています。

2つ目は「営業」です。古物を売買する、交換する、又は委託を受けて売買・交換する、という行為を、反復継続して業として行うことが営業です。1回きりの売却ではなく、利益を得る目的で、仕入れや委託の受付が続いている状態が、営業に当たります。

3つ目が、条文の最後にある「売却のみ」の除外です。古物を売却することだけを行う場合と、自分が売却した物を相手方から買い受けることだけを行う場合は、古物営業から外れています。自分が使っていた物を手放す場合がその典型です。ここで大切なのは、除外されるのは「売却することのみ」を行う場合であって、「買い受けを伴う」場合は外れない、という点です。買い受けを伴うかどうかが分かれ目ですので、無償で受け取った物、国外で取得した物、自分で作った物の販売のように、買い受けの形が通常と違う取引は、取引の実際の形に即して、所轄の警察署の防犯担当に確かめます。条文の読み方を自分で決め込まず、取引の流れを書き出して確認する、という手順が安全です。

場面ごとの整理(条文に当てはめた場合の見方)

  • 買い受けた中古品を、ネットで継続して売る古物を売買する営業。許可が必要
  • 他人から預かった古物を、代わりに売って手数料を得る「委託を受けて売買」に当たる。預かる側に許可が必要
  • 古物市場(業者間の競り)で仕入れる古物市場では古物商以外は売買できない(同法14条3項)。許可が前提
  • 利用者が出品する場を提供し、競りの方法であっせんする古物営業とは別の「古物競りあっせん業」の枠組み(同法2条2項3号)
  • 自分が使っていた物を売るだけ「売却のみ」にとどまる限り、古物営業から外れる
  • 事業用の新品を問屋から仕入れて売る使用のための取引を経ていなければ、通常は古物に当たらない。仕入れ先の取引の形で確認

表の右欄は、条文の言葉に当てはめた見方です。個別の取引では、仕入れや預かりの実際の流れで判断が変わることがあります。

せどり・不用品・新品の転売:判定の順番

ネットで物を売る事業者から多く出るのは、「新品なら要らないのか」「不用品を集めて売るのはどうか」「転売目的で買った物を売るのはどうか」という3つの疑問です。次の順番で、一つずつ確かめると迷いが減ります。

要否の判定を、取引の流れから確かめる順番

  1. 扱う物を書き出す品目、状態、仕入れ先を一覧にする。区分(衣類、時計・宝飾品類、書籍など)ごとに分けておくと、申請の区分の選択にもそのまま使える
  2. 仕入れの形を確かめる対価を払って買い受けるのか、無償で受け取るのか、預かって売るのか、自分で作るのか。買い受けと委託が1つでもあれば、営業に当たる可能性が高い
  3. 使用のための取引を経ているかを確かめる新品でも、いったん使う目的で買われた物は古物に当たり得る。問屋やメーカーからの仕入れで取引の記録が残っているかを確認する
  4. 継続性を確かめる反復継続して行う予定か、1回限りか。今後の仕入れ計画があるなら、始める前に許可を取る
  5. 迷う点を整理して窓口で確認する取引の流れを図にして、所轄の警察署の防犯担当に持参する

いわゆる「せどり」は、店頭やネットで安く買った物をネットで高く売る取引で、買い受けと売却が両方あります。仕入れた物が新品か中古か、小売店で一般消費者向けに売られていた物かによって、古物に当たるかが変わりますが、中古品を含めて継続して行うなら、許可を前提に準備するのが現実的です。新品だけを扱う予定だったのに、実際には買取や下取りで中古が混じってくる、という事業の広がりもよくあります。最初は新品のみでも、買取や中古の取り扱いを加えるときは、そのときに許可を取ってから始めます。

不用品の回収や整理を事業として請け負い、回収した物をネットで売る場合は、回収の形(買い取るのか、無償で引き取るのか、処分費を受け取って引き取るのか)で整理が変わります。廃棄物に当たる物を回収する場合は、別の法律の許可が絡む場面もありますが、このページでは古物営業法の観点に限ります。

委託販売・代理出品・購入代行・取り寄せ販売:売買で組むか、委任で組むか

他人の物を代わりに売る「代理出品」「委託販売」は、条文の「委託を受けて売買」に当たります。預けた側が会社でも個人でも、預かって売る側が古物を扱う営業をするなら、預かる側に許可が必要です。他人の在庫の販売を代わりに引き受ける場合や、他人名義のアカウントで出品を手伝う仕事は、ここに入ります。

重要なのは、許可を受けた人が自分の名義で営業しなければならないという点です。許可を持つ古物商が、自分の名義で他人に古物営業をさせることは禁止されています(同法9条)。違反した者は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です(同法31条3号)。許可を持っている人の名前を借りて出品する、いわゆる名義貸しは、貸す側も借りる側も問題になります。委託や提携の契約書の中に、「相手の許可で自分の販売をさせてもらう」ような構造がないかを点検します。

取り寄せ販売や購入代行では、お客様が希望した商品を、業者向けの市場や他の販売店から探して手に入れ、お客様に渡します。この形は、法律構成を2通りに組めます。

取り寄せ販売の組み方の比べ方

売買で組む(自社が売主)

  • 探索・仕入れは自社の判断と責任で行い、自社を売主としてお客様に販売する
  • 仕入れの経路や価格を開示するかどうかを、自社の判断で決めやすい
  • 仕入れ確定後のキャンセルは、個別に取得した物として制限する条項を置きやすい
  • 商品の不適合の責任は、売主として自社が負う

委任・代理で組む(お客様の代理人)

  • お客様の代理として購入し、手数料を受け取る
  • 購入の相手方との間で、代理人としての義務と権限の範囲が問題になる
  • 代金・手数料・実費の精算を明細で示す必要が出る
  • 商品の責任は購入先との関係が前面に出て、説明が複雑になる

どちらの組み方でも、古物を売買する営業になる点は変わりません。違いが出るのは、責任の所在、キャンセルの扱い、お客様への説明の分かりやすさです。

規約の文面では、売買で組むなら、自社が探索・取得し、自社を売主として販売するサービスであり、お客様の代理、媒介又は委任を内容とするものではない、とはっきり書きます。「代理で購入します」と書いたまま、実際は自社の在庫として売っていると、規約と運用が食い違います。

書き方の例(一般的な例) |取り寄せ販売の規約(サービスの性質)

サービスの説明

よくある書き方「お客様に代わって、ご希望の商品をお探しし、購入いたします」と書き、実際は自社が仕入れて自社名義で販売している。
整えた書き方「当社は、お客様から提示された希望条件に基づき、当社の裁量と責任において流通経路から商品を探索・取得し、当社を売主として販売します。本サービスは、お客様の代理、媒介又は委任を内容とするものではありません」と書く。

代理か売買かを混ぜると、キャンセルや不適合のときに、どちらの責任を前提にするかで争いになります。運用に合わせて一つに決めます。

キャンセルの扱いも、売買構成のほうが整理しやすい分野です。仕入れが確定して個別に取得した後のキャンセルは、返品特約の枠組みで制限する書き方になります。注文を受けてから作る商品のキャンセルの精算は受注生産・オーダーメイド商品のネット販売で、返品特約の表示の仕方は返品特約と返金ポリシー、契約がいつ成立するかは注文確認メールと契約の成立で紹介しています。

代理販売契約と出品者向け規約に入れる、許可に関する条項

委託を引き受ける契約や、他人が出品できる場を運営する規約には、許可に関する条項を入れておくと、後からの責任の所在が明確になります。

代理販売契約 第◯条(許可の確認と物品の取得経緯)

  1. 受託者は、本件物品が古物営業法上の古物に当たる場合又は当たるおそれがある場合、同法に基づく許可を受けていること、及びその許可を営業の期間中維持することを表明し、保証する。
  2. 委託者は、本件物品の取得の経緯(購入先、購入時期、使用の有無)を示す資料を受託者に交付する。受託者は、その資料に基づいて、本件物品が古物に当たるかを確認する。
  3. 委託者が前項の資料を交付しない場合、又は資料の内容が事実と異なる場合、受託者は、本件物品の販売を中止し、又は契約を解除することができる。
  4. 受託者は、自己の名義で、許可を受けた営業所の営業として、本件業務を行う。他の者の許可を借りて、又は他の者に自己の許可を使わせて、本件業務を行ってはならない。

未使用品の扱いを、資料で確かめる流れにした条文例です。条文の言葉で古物に当たるかが迷う物については、取得経緯の資料が判断の材料になります。

出品者を募る場を運営する側も同じです。出品の資格を、本人確認と許可証の確認を経た者に限り、出品の資格の維持を確認するために追加の資料を求められるようにしておきます。出品者が許可を維持する責任を負い、古物営業法に違反した場合は出品の停止や登録の抹消ができる、という流れです。

出品者向け規約 第◯条(出品の資格)

  1. 出品者は、当社所定の本人確認及び許可証の確認その他の審査を通過した場合に限り、本サービス上に商品を出品することができる。
  2. 当社は、出品資格の維持の確認、不正の防止その他必要と判断した場合、出品者に対し、追加資料の提出、本人確認その他の調査を継続的に行うことができる。
  3. 出品者は、古物営業法その他の関係法令を遵守し、自己の責任と費用において、必要な許認可を維持する。
  4. 出品者が前項に違反した場合、当社は、出品の停止、出品物の削除、登録の抹消その他の措置をとることができる。

運営者自身が古物の売買をするのか、場の提供にとどまるのかで、運営者の側に必要な手続は変わります。競りの方法でのあっせんにあたる設計にするなら、古物競りあっせん業の枠組みを別に確認します。

運営者が出品物の販売の主体になる設計、たとえば、運営者が買い受けた物を自社の商品として販売する形では、運営者自身が古物を取り扱うことになります。出品者の資格の条項と運営者自身の許可の取り扱いは、別々に確かめます。

人気の限定品を買った人が転売する場合の、店側の規約の書き方については、限定販売・抽選販売の数量制限と転売対策の規約の記事で詳しく説明しています。

許可の申請:欠格事由・営業所・管理者・区分・書類

許可の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に対し、許可申請書を提出して行います(同法5条1項)。実際には、主たる営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して、一通の申請書を提出します(古物営業法施行規則1条の3第2項)。申請書には、氏名又は名称・住所、法人は代表者の氏名、営業所の名称と所在地、営業所ごとに取り扱う古物の区分、管理者の氏名と住所、行商をするかどうか、ネットで取引の申込みを受ける方法を用いるかどうか、法人は役員の氏名と住所、を記載します(同法5条1項各号)。

許可が出ない人(欠格事由)は、同法4条に定められています。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、一定の刑に処せられ、その執行を終わり又は受けることがなくなった日から5年を経過しない者、住居の定まらない者、許可を取り消されて5年を経過しない者、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の命令・指示を受けて3年を経過しない者などです。法人は、役員のうちにこれらに当たる者がいると許可を受けられません。営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者も、原則として許可を受けられません。

申請で決めておく事項(一般的な整理)

営業所古物を取り扱う拠点。営業所のない者は住所又は居所。ネット専業でも、拠点の所在地は必要
管理者営業所ごとに1人選任する責任者。未成年者や、欠格事由(同法4条1号〜7号)に当たる者は管理者になれない(同法13条2項)
古物の区分美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類の13区分から営業所ごとに選ぶ(規則2条)
行商の有無営業所以外の場所で売買する形があるかどうか。仮設店舗も含む
ネット取引の有無古物に関する事項をウェブサイトに載せ、取引の申込みを対面しない通信手段で受けるか。受けるなら、そのURLなどを記載する

区分は営業の実態に合わせて選びます。最初に選ばなかった区分の物を後から扱うときは、変更の届出が必要になります。

添付書類は、個人の場合、最近5年間の略歴を記載した書面と住民票の写し、欠格事由のいずれにも当たらないことを誓約する書面、市町村の長の証明書などです。法人の場合は、定款と登記事項証明書、役員についての同様の書類が加わります。管理者についても、略歴や住民票の写しなどの書類が必要です(規則1条の3第3項)。ネット取引をする場合は、URLの使用の権限があることを疎明する資料も添付します(同項5号)。

営業所をどこに置くかは、意外に準備が重い部分です。賃貸の住居やオフィスを営業所にする場合は、申請先の運用により、建物の使用の権限を示す書類を求められることがあります。使用承諾が取れるか、倉庫と営業所をどう分けるかを、申請の前に確かめておきます。許可後に営業所の名称や所在地を変えるときは、あらかじめ届出が必要です(同法7条1項)。審査の標準的な期間や手数料は、公安委員会や都道府県ごとに定められていますので、申請先で確認します。

申請の前に確かめておくこと

  • 扱う物の区分を、仕入れ先と商品の例を並べて決めた
  • 営業所を決め、建物を使う権限(賃貸の場合は承諾)を確かめた
  • 管理者を選び、欠格事由に当たらないことを確かめた
  • ネットで取引の申込みを受けるなら、使うウェブサイトのURLを確定させた
  • 法人の場合は、役員全員の欠格事由と書類をそろえた
  • 許可が出る前に、仕入れや委託の受付を始めないよう予定を組んだ

出品者から出品を受け付けるサービスの規約については、他社の出品を受け付けるマーケットプレイスの出品者規約の記事で詳しく説明しています。

ネットで売るときのURLの届出と、サイトの表示

古物をネットで売るには、申請の時点で、使うウェブサイトのURLなどを届け出ます(同法5条1項6号)。ここでいうネット取引は、取り扱う古物に関する事項を自動公衆送信により公衆の閲覧に供し、取引の申込みを、取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段で受ける方法をいいます(同法5条1項6号、規則2条の2)。サイトを後から増やす、運営のサイトを移す、という変更も、変更の届出の対象です(同法7条2項)。

この方法を用いる古物商は、「特定古物商」と呼ばれます。特定古物商については、公安委員会が、氏名又は名称、URLなどの識別符号、許可証の番号を、ネットで公表します(同法8条の2)。事業者の側も、サイトに氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を掲載する義務があります(同法12条2項)。特定古物商は、これに加えて、取り扱う古物に関する事項も公衆の閲覧に供します(同条3項)。

表示の義務には例外があり、常時使用する従業者が5人以下の場合や、ウェブサイトを持たない場合は、掲載の義務が除かれます(規則13条の2)。ただし、法12条2項の括弧書きにより、特定古物商はこの例外から外れます。つまり、ネットで取引の申込みを受ける方法を届け出た古物商は、小規模でもサイトの表示が必要になる、という整理です。

許可番号の表示の形としては、運営者情報のページやフッターに載せる方法が一般的です。特定商取引法に基づく表記のページに、事業者名、所在地とあわせて古物商の許可の欄を置く方法もあります(特商法に基づく表記)。許可番号は、許可を受けてから表示するものです。許可が必要な営業なら、許可を取ってから古物の売買や委託の受付を始め、交付された許可証の番号を、そのとおりに載せます。営業所では、これとは別に、公衆の見やすい場所に所定の標識を掲示します(同法12条1項)。

許可を取った後:本人確認・帳簿・保存と、起きがちなこと

許可を取ると、買い受けや委託の受け入れのたびに、次の義務がかかります。

  • 古物を買い受け、又は売却の委託を受けようとするときは、相手方の住所、氏名、職業及び年齢の確認など、真偽を確かめる措置をとる(同法15条1項)。対面しない取引の確認方法は、規則15条3項に列挙されている
  • 対価の総額が1万円未満の取引などは、確認が不要(同法15条2項、規則16条1項)。ただし、書籍やゲームソフトなど一部の物は、金額にかかわらず確認が必要(規則16条2項)
  • 不正品の疑いがあるときは、直ちに警察官に申告する(同法15条3項)
  • 古物を受け取り又は引き渡したときは、取引の年月日、古物の品目・数量・特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢などを帳簿に記載する(同法16条)。古物を引き渡した(売った)ときの記載が必要なのは、美術品類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車に限られる(規則18条。部分品などに細かな例外がある)
  • 帳簿は、最後の記載をした日から3年間、営業所に備えて保存する(同法18条1項)
  • 営業所又は取引の相手方の住所・居所以外の場所で、買い受けや委託を受けるために古物商以外の者から古物を受け取ってはならない(同法14条1項。仮設店舗について事前に届け出た場合などを除く)。違反は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(同法32条)
  • 警察から品触れ(盗品などの手配)を受けたら、到達の日付を書き、6か月間保存する(同法19条)

買い受けた古物のうちに盗品や遺失物があったときは、被害者や遺失主は、盗難や遺失の時から1年以内に限り、無償で回復を求めることができます(同法20条)。盗品等であると疑うに足りる相当な理由があれば、警察本部長等は30日以内の期間で保管を命じることができます(同法21条)。仕入れや買取の窓口で、本人確認の記録が曖昧だと、こうした場面で事業者の側が説明に苦労します。

法令に違反したときは、公安委員会が許可を取り消し、又は6か月以内の営業の停止を命じることができます(同法24条1項)。許可を受けてから6か月以内に営業を開始せず、又は引き続き6か月以上営業を休止して現に営業をしていないと、許可を取り消されることもあります(同法6条1項3号)。営業をやめるときは、許可証を返納します(同法8条1項)。

古物の取引は、売る側と預ける側、買い受ける側と売りに来る人、運営者と出品者、というように、複数の当事者が関わります。契約書の文面と、許可の名義、サイトの表示、帳簿の記録を、同じ取引の流れの中で見直すことが、許可後の運営の土台になります。買い受けた物の引渡しや、輸送中の事故の扱いは配送・在庫・予約のルールで、買い手が事業者のときの検査と通知の特則は免責条項と契約不適合で紹介しています。

よくあるご質問

自分が使っていた物をネットで売るだけでも、古物商許可は要りますか?

自分が使っていた物を売却することだけを行う場合は、古物営業から外れています(古物営業法2条2項1号)。ただし、売るために継続して買い集める、他人の物を預かって売る、といった形が加わると、営業に当たります。

新品を仕入れて売る場合は、許可は要りませんか?

古物は、使用されない物品でも「使用のために取引されたもの」を含みます。問屋やメーカーから事業用の在庫として仕入れた新品は、通常は当たりませんが、一度消費者が使うために買った物が戻ってきた場合などは古物に当たり得ます。仕入れの形を確かめて判断します。

他人の物をオークションサイトに代わりに出品して手数料を得るには、許可が要りますか?

「委託を受けて売買」する営業に当たるため、預かる側に許可が必要です。許可を持つ人の名義を借りて行うことは、名義貸しの禁止(同法9条)に触れます。

ネット専業で営業所がなくても申請できますか?

営業所のない者は、住所又は居所が営業所に当たる扱いです(同法4条10号)。ただし、営業所ごとに管理者を選任する必要があり、拠点の所在地、使用の権限、管理者の要件は、申請の前に確かめます。

許可を取ったら、サイトに何を表示しますか?

氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を表示します(同法12条2項)。ネットで取引の申込みを受ける方法を届け出た特定古物商は、小規模でも表示が必要で、取り扱う古物に関する事項も合わせて掲載します(同条3項)。

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