ネットショップは、パソコン一台で始められる商売です。けれども、物を売るという行為には、特定商取引法の表示、返品と配送のルール、商品の不具合の責任がついて回り、食品・お酒・化粧品・中古品を扱えば許可や免許が、自社ブランドを作れば製造委託の契約が加わります。このガイドでは、アトラス行政書士法人がこれまで作成・レビューしてきたネットショップの利用規約・特定商取引法に基づく表記・返金ポリシー、通信販売酒類小売業免許の申請、化粧品・中古品・OEM・販路の契約書の実例と、条文の一次確認をもとに、自社のネットショップを開く方、Shopify・BASEで販売する方、食品・お酒・化粧品・中古品を扱う方、OEMで自社商品を作る方、海外から日本向けに売る方が、書類と許認可で押さえておきたいことをテーマごとに詳しく整理しています。

ネットショップを開く方

机の上のノートパソコンに表示されたネットショップの画面

表記・規約・最終確認画面を、運用どおりにそろえる

自社のネットショップでの販売は通信販売です。特定商取引法に基づく表記は、送料を金額で、発送までの日数を期間で書き、表記・利用規約・返金ポリシーの内容を一致させます。

注文確認メールが承諾と受け取られないよう、契約がいつ成立するかを規約に書き、最終確認画面に返品特約などを表示します。

返品・配送のルールを整えたい方

白い背景に置かれた段ボールの箱

返品特約と配送のルールを、3つの書類で一致させる

ネットショップにクーリング・オフはありませんが、返品特約を表示しないと、受取りから8日間の返品を認めることになります。特約は最終確認画面にも表示します。

受取拒否の送料、価格の誤表示、在庫切れ、予約販売の遅延は、実際の運用を確かめてから規約に書きます。

食品・お酒を売る方

クーラーボックスに入った瓶と缶の飲み物

表示と許可・免許を、売り始める前に

食品は、容器包装の表示と商品ページの表示をそろえ、扱う食品と保管の方法に応じて許可・届出の要否を確かめます。

お酒をネットで売るには通信販売酒類小売業免許が基本です。ネットだけでも販売場と図面が要り、通信販売の免許では店頭で売れません。

化粧品を売る方・卸す方

黒い台の上に並ぶ化粧品の容器

商品説明の表現と、卸先との契約

化粧品の虚偽・誇大な広告は「何人も」禁止されています。化粧品と雑貨・資材を同じ注意書きで扱わないことも大切です。

卸先との正規取扱店契約では、希望小売価格を守らせる書き方を避け、ネット販売の禁止の範囲を定義で具体的にします。

中古品を売る方・買い取る方

古着や雑貨が並ぶ店内

古物商許可と、買取の契約書

中古品を仕入れて売るなら古物商許可が前提です。ネットでは、許可した公安委員会の名称と許可証の番号を表示します。

買い取る側に回るなら、本人確認と記録のほか、相続品の処分の権限、偽物、電子機器のロックへの備えを契約書に書きます。

OEM・販路・外注の契約をする方

段ボールの商品が並ぶ倉庫の棚

上流の契約で、返品とクレームの負担を決める

OEMの製造委託契約は、品質の基準と検査の基準を分け、不適合の責任の期間、B品や余剰品の横流しの禁止、表示と製造物責任を書きます。

発送・撮影・サイト構築の外注や、委託販売・共同販売では、売上・写真・在庫・アカウントの扱いを事業者どうしで決めます。

このガイドの解説ページ

よくあるご質問

ネットショップを始めるのに、許可は必要ですか?

物を売るだけなら、通常は営業の許可は要りません。ただし、中古品を扱うなら古物商許可、お酒を売るなら酒類の販売業免許、食品の製造・加工や一部の販売なら食品衛生法の許可・届出、化粧品を自社ブランドで出すなら製造販売業の許可が必要になります。

ネットショップにクーリング・オフはありますか?

ありません。ただし、返品特約を表示していないと、商品を受け取った日から8日を経過するまで申込みの撤回や解除ができます(特定商取引法15条の3)。返品を受けないなら、表記と最終確認画面に特約を表示します。

特商法の表記に自宅の住所を載せたくありません。

請求があれば遅滞なく提供する旨を表示し、体制を整えれば表示を省略できる事項があります。ただし、プライバシーポリシーや前払いのお客様への通知には住所が必要になるので、実際に注文したお客様には伝わる前提で考えてください。

利用規約に「一切責任を負いません」と書けば安心ですか?

お客様が消費者なら、責任の全部を免除する条項は無効です(消費者契約法8条1項1号)。上限を定めるなら軽い過失の場合に限ることを明記し、不適合の場合の交換・返金の責任は明記します。

お酒をネットで売るにはどうすればよいですか?

通信販売酒類小売業免許を受けるのが基本です。ネットだけでも販売場ごとに免許を受け、作業場所と保管場所が分かる図面を付けます。通信販売で売れるお酒の範囲にも条件があります。

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監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日